Visionalグループ プロダクト新卒採用グループの高橋です。
新卒採用活動の取り組みの一環として2023年8月下旬から9月中旬にかけて「Visional Engineer & Designer Internship 2023」を開催しました。本記事ではこのVisional Engineer & Designer Internship 2023 (以下サマーインターン)の開催内容や、開催時の様子を中心にレポートします。
サマーインターン概要
2023年のテーマは「新卒採用における内定辞退の課題を解決するサービスを提案しよう」です。 エンジニアとデザイナーが合同でチームとなり、HR領域の課題をテーマに、課題の特定から一貫した解決策の提案をしていただきました。期間中は、事業づくりの最前線で活躍するエンジニアやデザイナーがメンターとしてチームをサポートしました。
大まかな流れは以下の通りですが、それぞれに使う時間配分や進め方などはチームに任せ、チームメンバーで連携して進める意義を体感いただく設計としています。
5日間の大まかな流れ
課題抽出〜仮説検証〜サービス設計の一連の流れを、5日間で実施しました。
Day1, Day2
- オープニング
- ターゲットユーザーの理解・共感(課題の洗い出し)
- ユーザーインタビュー
- 課題の仮説検証〜定義(課題の絞り込み)
- 中間発表
Day3, Day4
- アイデア発想(解決策の発散)
- サービス設計(解決策の検討)
Day5
- 最終発表
設計した際のポイント
下記のポイントを意識して、企画を進めていきました。
- エンジニア&デザイナー合同のチームで実施する
- 職種合同という現場と近いリアルな環境で、それぞれの役割や職種に囚われずにチームでモノづくりを行う難しさを実感いただくため
- BtoB領域における、抽象度の高いテーマを設定する
- 自分には馴染みのない領域で課題発見・特定する難しさを実感していただくため
- 各チームへメンターを配置し、答えではなく問いを中心としたフィードバックを行う
- 思考を能動的に行っていただき、学びを促進させるため
ワークが始まる前の様子
サマーインターンのワークが始まる前に、インターン期間中に実用的に使える物のノベルティボックスを配布しました。 ノベルティのデザインはサマーインターンのエントリーページ と一貫しており、一連のデザインを新卒入社のデザイナーが担当いたしました。
インタビューを繰り返し、課題を仮説立てて検証する(Day1〜2)
Day1からDay2までの期間では、課題の仮説立てと検証が主な目的となります。 仮説の立案と検証はインタビューを行いながら、発散と収束のプロセスを経て進行します。
最初に、仮説を立てる際のアプローチの仕方や、ユーザーインタビューの実施方法について講義で学びました。講義の要点としては、「仮説とはそもそも何か、仮説を立てるにはどのようなプロセスで行うと良いのか」「インタビューの際には目的を定めてインタビューをしよう、そしてインタビューのサイクルを回し確からしさを高めていこう」という内容です。
ワークがはじまると、チームで人事にインタビューをして、課題は何かを仮説立てて行きます。インタビューの準備、インタビュー時のリアルタイムな深堀り、インタビュー内容の整理などを繰り返し、チームで仮説を検証していきました。
ホワイトボードを活用しながら、課題を見つけようとするチームもいました。 単にインタビューを行うだけでは、根本的な問題を見つけるのは容易ではありません。 初回のインタビューで深く掘り下げるための適切な質問が思いつかなかったり、チーム全体で苦労することもありました。
そしてチームで課題をまとめ、中間発表を行いました。 中間発表では、講評者であるリクルーティングプロダクト本部 PMO室 室長の山田より、「誰の、どんな課題を解決をしたいのかが明確になっていない」「企業や学生に対して、もうひと段階深掘りして課題の真因を特定した方がいい」などのフィードバックがあり、各チーム課題を特定する難しさを感じたようです。
サービス設計(Day3〜4)
Day3からDay4では、定義した課題を解決するためのサービスの検討と、検討したサービスをサービス設計として形にしていきます。定められた成果物を提出してDay5の最終発表の準備をするところがゴールになります。
今回のサービス設計における成果物は、以下の3つで設定しました。
- ユーザーストーリーマップ
- データモデリング
- プロトタイプ
上記の成果物を初めて作る方も多くいる為、現場のエンジニア・デザイナーから各制作物がなぜ必要なのか、何を意識すべきなのか、現場で実践している内容を講義にて学びました。
講義後は検討した解決策を元に、まずユーザーストーリーマップを作成し、ユースケースやMVPを検討していきます。これまで考えてきた課題と、解決のアイデアがどう結びつくのか、チームで目線合わせを行います。
またデータモデリングも実施し、プロトタイプと整合性があっているか、データモデリングを通じて新たにわかったことはないか、チームで網羅的な視点を持ちながら検討を進めます。
ユーザーストーリーマップ・モデリングが固まったチームは、最小限の画面設計からまずは着手し、人事向けにユーザーテストを繰り返しながら、プロトタイプを作り込んでいきました。
最終発表(Day5)
最終発表ではCTO・CDOを前に発表していただきました。 チームで定義した課題の説明、サービスの概要、プロトタイプの説明という流れで、5日間の内容を伝えます。
発表後は、ディスカッション形式でCTO・CDOや他チームの学生さんからも質問がありました。「そのサービスはお客様のどのような課題を解決できるのか」「ユーザーが使うメリットはなにか 」「既にあるサービスとの違いはなにか」などの質問があり、CTO・CDOとサービス開発に向けた議論を行いました。
発表後は各チームごとに、個別に講評が行われます。 講評時には、「その事象をなぜ課題と捉えたか、フォーカスした理由がわかりやすい」「複数人で課題設定をするのは難しい中で、特定した課題にリアリティがあって良かった」など、CTO・CDOから直接フィードバックがありました。
一方で、「事象と問題と課題がごちゃごちゃになってしまっている」「企業・学生の両軸でのメリットデメリットを検討しきれていない」「既に存在しているサービスとの違いが見えずらい」 など、学生の新たな気づきとなるようなフィードバックもありました。
最後に、メンター社員と参加学生さんで個別1on1を行い、一人一人の5日間の目標を踏まえて、フィードバックを行います。チームワークの際の自身の立ち振る舞い、自身の強みの活かし方、今後のキャリア相談など、様々な観点でメンターに相談することが可能です。
参加学生からの声
実際に、サマーインターンを終えた学生さんたちからの感想コメントをいくつか紹介します。
- これまでのデザインは提案して終わりだったのに対して、エンジニアが加わることで少しサービスの機能を変えるとDBを変えないといけなかったり、できないことがあったりとこれまででは考えたことのなかった視点でサービスをデザインすることができました
- 課題定義から、具体的な提案までの流れをチームで行うのは他のインターンではない経験だった。ユーザーインタビューの部分のみ、UI設計のみといった、バラバラなものが多く、全体のフローを体感できたのは非常に学びになった。
- エンジニアとしてただ単に開発するだけでなく、プロダクトにここまで向き合ったインターンは初めてだった。
- 抽象的かつ正解のないテーマに対して考え抜くことは負荷が高くどこまで網羅・深掘り・取捨選択すれば良さそうか踏まえて考えるのはとても大変だった。一方で、メンバーと議論を重ねながら少しづつ納得感のある課題発見や解決策の提案ができたり、意見が対立しても認識をすり合わせて状況整理し、具体的にどこの考え方が異なるのかクリティカルに議論できたことはとても楽しかった。大変さよりも楽しさや学びの方が圧倒的に多いので、満足しています。
最後に
サマーインターンにご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
今回Visionalでは初めて職種合同でのサマーインターンを実施し、開催前は両職種の方それぞれに学びを提供できるのか不安もありましたが、インターン終了後に「合同で実施したからこそ学びが多かった」と多くの声をいただき、職種合同で一つのサービスをつくるという大きな視点での学びも提供できたのではないかと、運営としては思っています。
Visionalでは業務でも同じように、職種の垣根を超えてお客さまの本質的な課題解決に向かうスタンスを大切にしながらモノづくりに取り組んでいます。 プロダクト職の新卒採用も行っていますので、少しでもご興味をお持ちいただける方はぜひこちらからエントリーください。