Visionalグループ 株式会社ビズリーチのAI組織は2016年の発足以降、特にデータサイエンス(DS)・機械学習(ML)における専門性の高い豊富な知識を持つ仲間が集まっています。近年では東京大学マーケットデザインセンターとの共同研究など研究開発も進めながら、AI技術のプロダクトへの実装も急速に進めており、株式会社ビズリーチのビジョン/ミッションの実現に向けお客様への価値提供を高めています。
今回は、「言語処理学会第30回年次大会(NLP2024)」での論文発表に向け、これまでの当社のAI技術に関わる内容をまとめました。

学会発表(国内)

「人材業界固有の表現を考慮した求人票のマルチラベル分類」- 2024年 言語処理学会第30回年次大会(NLP2024) 論文投稿・ポスター発表予定

この論文は、求人票のテキストから、求人票に対応する職種カテゴリ・業種カテゴリを推定するマルチラベル分類タスクにおいて、求人票から学習したドメイン特化BERTモデルを訓練しておき、このモデルからカテゴリ文字列の埋め込みベクトルと求人票の文単位の埋め込みベクトルの類似性を算出し、各カテゴリとの最も類似する類似ベクトルを利用してマルチラベル分類を実施し、精度を向上させた報告です。
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また、こちらの内容につきましては現地 Pc会場: 403 (4F)にて3月13日(水)9:30よりポスター発表を行います。ご興味がある方はぜひお立ち寄りください。学会期間はポスター発表時間だけでなく、企業ブースにて、当社AIエンジニアによる技術紹介も行っております。

「ビズリーチにおけるレコメンドの取り組み―特にコールドスタート問題への対応について―」- 2023年版「特集 広がりゆく企業事例:2023年版」論文投稿

この論文は、「ビズリーチ」においてユーザに提供しているレコメンドロジックにおいて、特に過去履歴が存在しない新規のユーザに対するレコメンドをする場合の課題(コールドスタート問題)に対して、レコメンドロジックと属性からの予測モデルを組み合わせる独自の手法(CB-Prior-CF)について説明しています。
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「HyLIM: ハイブリッドな線形手法による推薦システムの提案」- 2020年度 人工知能学会全国大会(第34回) 論文投稿・学会発表

この論文は、レコメンドアルゴリズムのうち、線形回帰モデルを使った手法であるSLIMを改良した HyLIM という手法について説明しています。従来のSLIMではユーザの行動のみしか考慮できなかったために、行動データが少ない場合には精度が落ちるという欠点があり、SLIMにユーザの属性情報も含めることでこの欠点を補い精度を改善できるという結果が得られました。
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「変分ニューラルネットワークによる推薦システムの構築」- 2019年度人工知能学会全国大会(第33回)論文投稿・学会発表

この論文は、レコメンドモデルにおいてユーザ・アイテム双方の属性から、ユーザがアイテムを選択する確率を、変分ニューラルネットワークを使って予測することで、LightGBMなどの手法と比べて予測性能を向上させたという報告です。また、整数計画問題を解くことで、レコメンド数の上限を満たすようにレコメンド対象を割り当て、特定のアイテムが過剰にレコメンドされることを抑制し、実際のサービスにおいても従来のロジックと比較して性能を改善することができました。
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「Salary Prediction using Bidirectional-GRU-CNN Model」-2019年 言語処理学会第25回年次大会(NLP2019) 学会発表

この発表は、記載されていない求人票の年収を過去実績から予測するために、RNN手法であるGRUと、CNNを組み合わせた Bidirectional-GRU-CNNモデルを利用して予測を行った報告です。
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「人材ネットワーク―株式会社ビズリーチにおける事例を中心に―」- 2019年 公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会 論文投稿

この論文は、株式会社ビズリーチが展開するサービスにおいて、機械学習のロジックを様々な状況で活用した事例を紹介しています。レコメンドロジックを中心に、面接官能力判定、異常検知、数理最適化を適用した制約付きレコメンドなど、紹介している事例は多岐に渡ります。
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学会発表(海外)

「Applying Bayesian Hierarchical Probit Model to Interview Grade Evaluation」- 2019年 International Workshop on Talent and Management Computing (KDD2019 Workshop) 論文投稿

この論文は、採用面接において、面接官ごとに面接基準が異なることによる求職者に対する評価のばらつきの補正を目的に、面接官の評価結果に対してプロビットモデルを階層ベイズモデルとして定式化して用いることで、求職者の能力と面接官の厳しさを同時に推定した報告です。これにより面接官の主観的な評価基準のばらつきを除外した求職者の客観的な能力値を推定することが可能となりました。
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「Salary Prediction Problem as Ordinal Regression」- 2020年 International Workshop on Talent and Management Computing (KDD2020 Workshop) 論文投稿

この論文は、求職者のレジュメ情報から年収を推定する際、求職者レジュメにおいて年収の値が数値ではなく区分値となっている点を克服するための、目的変数を順序回帰と補間手法を用いた報告です。そうすることで区分点の間の年収に相当する値を予測することができました。
詳細はこちらをご覧ください。(自社ブログにおける解説)

メディア紹介

「現場のAIエンジニアに学ぶ推薦システム入門」- 2022年 CodeZine連載

レコメンドのアルゴリズムの説明と、そのアルゴリズムを現場のデータに適用する具体的な手順を紹介することを目的として、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディア「CodeZine」へ連載いただきました。
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自社ブログ/プレスリリース

「GPTモデルの求人自動作成機能を開発」- 2023年 プレスリリース

即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」の新機能として「GPTモデルの求人自動作成機能」を開発しました。採用企業はGPTツールを活用することで、最短30秒で高精度な求人が自動で提案されます。
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「“GPTモデルのレジュメ自動作成機能”を開発 東京大学マーケットデザインセンターと共同で、GPTツールの性能評価を発表」

」- 2023年 プレスリリース

即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」は、新機能として「GPTモデルのレジュメ自動作成機能」を開発しました。また、GPTツールの性能について、マッチング理論の第一人者である東京大学大学院経済学研究科教授兼東京大学マーケットデザインセンター長の小島武仁氏とUTMDチームとの共同研究により検証した結果、GPTツールを使用して職務経歴書を作成すると、使用せずに作成するよりも質の高い職務経歴書を作成でき、さらにスカウト受信数も増えることが検証されました。
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「Google Cloud Next ‘23 参加報告」- 2023年 自社ブログ

Google Cloud Next ‘23 への参加レポートを紹介しています。
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「iALSによる行列分解の知られざる真の実力」- 2022年 自社ブログ

iALS (implicit Alternating Least Square の略) の効率のよい解法や、チューニングを正しく行った上での精度は、(特に日本語文献で)あまり知られていません。本記事は、iALS の真の実力とそのような現状とのギャップを埋めるものを紹介しています。
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おわりに

ビズリーチのAI組織は、これまでのHR領域での歩みを通じ蓄積してきた当社だからこそ所有している多様なデータと、AIをはじめとするテクノロジーの活用で、今後もHR領域の課題解決に取り組んでいきます。
少しでも取り組み内容に興味をお持ちいただけましたら、当社AI組織のエンジニアとお話しさせてください!

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森嶋 麻友
森嶋 麻友

CDO室 ブランドコミュニケーショングループにて、エンジニアの社外発信におけるサポートを担当しています。