2023年にプロダクト職として新卒入社したエンジニアの佐藤光です。

今年も新卒採用活動の一環として「Visional Engineer & Designer Internship 2024」(以下、インターン)を開催し、私は運営メンバーとして、人事や同期のデザイナーと共に企画から当日の運営まで携わりました。

本記事では、実施したインターンの内容や、参加した学生へのインタビューをレポートします。

インターンについて

Visionalでは、モノづくりに関わる全員が本質的な課題解決のために職種に囚われず「プロダクト全体」の視点を持ち、必要なことであれば領域を問わず行う姿勢を大切にしており、新卒採用においてはエンジニアとデザイナーの職種を区分せず「プロダクト職」として採用活動をしています。

こうした当社のモノづくりに対するスタンスや、プロダクト開発の現場で様々な職種の人たちがチームとなり協働するプロセスを体感していただくために、2023年からエンジニアとデザイナー合同のインターンを開始しました。このインターンでは、HR市場の課題をテーマに、5日間で課題の特定から解決策の提案まで一貫して取り組みます。(なお、この他に就業型インターンも実施しています)

2024年は、学生のみなさまが課題解決においての本質的なプロセスを理解し、自分たちならではのアウトプットを追求できるよう、運営チームで内容のブラッシュアップを行いました。その結果、前回を上回る難易度の高いプログラムとなっています。(2023年の内容についてはこちらのレポートをご覧ください)

5日間の流れ
5日間の流れ

2023年からブラッシュアップしたポイント

今回のインターンでは、特に以下2点のポイントをブラッシュアップしました。

  1. 広い範囲から課題を特定する自由度の高いテーマ設定に
    テーマ自体は前回と同様に「HR市場の課題解決」としましたが、テーマ設定の自由度を大幅に高めました。前回は「新卒採用における内定辞退の課題を解決するサービス」に限定してサービス設計に取り組んでいただきましたが、今回はその制約を取り払いました。 これにより、学生のみなさんは新卒採用、キャリア採用、障がい者雇用、ポテンシャルワーカー採用(※1)など、どの採用領域に着目するのか、また母集団形成から入社後活躍まで多くのフェーズがある中でどのフェーズに着目するのか等、幅広い観点で最も解くべき課題を市場調査や仮説検証を繰り返しながらチームで見極め、実現可能性も考慮した課題解決に取り組んでいただく形式としました。

  2. 5日間の時間の使い方をチームで定めていただく
    インターン中の時間の使い方も自由度を高めました。前回は、課題設定やユーザーインタビューなど、各プロセスにかける時間を事前に細かく設定していましたが、今回はそれを取りやめ、グループワーク全体の時間を一括で提供しました。 これにより、学生のみなさんは5日間の進め方を自分たちで計画し、ゴールから逆算してユーザーインタビューをどこで入れるべきか等、プロセス構築を含めたワーク全体のスケジューリングにも取り組んでいただく形式としました。

これらの変更を通じて、2024年のインターンでは、学生のみなさんがより主体性をもって本質的な課題解決のプロセスに取り組めることを重視しました。

加えて、前回と同様に、モノづくりの現場をリードしている社員がメンターとしてサポートし、インターン中の個人の成長や今後のキャリア相談にも向き合いました。 また、中間発表や最終発表では、株式会社ビズリーチの外山(CTO)、萩原(VPoE)、田中(CDO)などの経営メンバーから直接フィードバックを受ける機会も設け、Visionalが大切にしているモノづくりの価値観を深く理解していただくとともに、モノづくりの視野が広がる気づきを持ち帰っていただけることを目指しました。

ワーク中の様子
ワーク中の様子
参加者にはオリジナルノベルティもプレゼント
参加者にはオリジナルノベルティもプレゼント!

参加学生へのインタビュー

ここからは、実際にインターンに参加された、冨川さん(芝浦工業大学 デザイン工学部 デザイン工学科ロボティクス・情報デザイン系)、服部さん(上智大学大学院 応用データサイエンス学位プログラム)へインタビューした内容をレポートします。

参加を決めたのは「Visionalのインターンが一番しんどかった」という先輩の体験談

—— インターン参加の決め手は何ですか?

冨川さん:身近な先輩の体験談を聞いたからです。その体験談の中で、エンジニアとデザイナーが合同で行うVisionalのインターンが一番しんどかったと言っていたのを聞き、「しんどいインターン」という部分に興味を惹かれました。私は大学内でのワークショップ等の経験は多くあったのですが、これまでとは異なる難易度の高いワークを通じて、もっと成長したいと思って応募しました。

服部さん:インターンを探し始めていたとき、プロダクトエンジニア(※2)というものに興味を持っていました。その中で、Visionalはエンジニアとデザイナーを分けず、プロダクト職として募集しており、掲げている価値観もプロダクトエンジニアの役割と近いことが面白そうだと思いました。自分の所属する大学ではデザイン学科がなかったので、デザイナーと一緒にできる点にも魅力を感じました。

—— 説明会などでVisionalのインターンは難しそうだなと感じたと思いますが、そこに対する不安などはありましたか?

服部さん:難しいことに対する不安はなかったです。むしろ、難しい方が面白いと考えていました。たとえ失敗したとしても、そこで得られる経験も貴重だと思っています。

冨川さん:同じく心配はなかったです。むしろ「失敗をしに行く」くらいに考えていました。課題に対する不安というよりは、5日間の中で失敗も含めどれだけ深い経験を積めるかを大切にしていました。私はワークショップの経験が多く、より難易度の高いプログラムを求めていて、その中でも経験したことがないエンジニアと合同で行うプログラムを経験してみたいという興味の方が強かったです。

冨川さん服部さん
左:冨川さん 右:服部さん

エンジニアとデザイナー、異なる視点があったからこそ難しいテーマを乗り越えられた

—— 違う職種の仲間とチームで取り組んだことは率直にどうでしたか?

冨川さん:難しさももちろん感じましたが、総合的にはとても楽しかったです。特に、エンジニアと一緒にできた点が良かったです。今まで参加したデザイナーのみのワークショップでは、アウトプットが先行してしまい思うような結果にならない経験もありましたが、今回のワークでは、エンジニアの全体を俯瞰して情報収集をしたり、その情報を短時間で集約する力にとても助けられました。

エンジニアがいたからこそ、この難しいテーマを乗り越えることができたと思いますし、最終発表の後はこれまで感じたことがない達成感を感じました。

服部さん:同じく難しさを感じながらもとても楽しかったです。また、モノづくりにおいて視野が広くなったと思います。今まで参加したインターンでは手法が決まっている上で、何ができるかを考える機会が多く、今回のように上流の過程から物事を考えていくことがなかったので、とても勉強になりました。

冨川さんが「エンジニアがいたから乗り越えられた」と言ってくれましたが、逆にデザイナーがいなかったら、そもそも「どう進めるべきか?」で止まってしまい、課題解決に関する議論がちゃんと始められていなかったと思います。その中で、デザイナーはただ目に見えるデザインを作るだけでなく、「何が本質的な問題なのか」を見極める力がとても強いことを実感しました。

—— 5日間参加してみて、何が一番大変でしたか?

冨川さん:初日の講義で学んだサービス設計プロセスのフレームワークに、チームで定義した課題を適切に当てはめることが一番難しかったです。特に中間発表でアイデアファーストで進めてしまっていた自分の心に刺さる厳しいフィードバックを受けた後、課題をゼロから考え直すことをチームで決めましたが、翌日からどう進めたら良いのか何も決まっていない状態になり、それが一番辛かったです。

服部さん:そもそも課題を発見し、解決するサービスを考えるだけでも大変なのにも関わらず、評価軸として「そのサービスを導入したいかどうか」といった点は個人的にはかなり頭を悩ませました。サービスとしての面白みだけでなく、既存サービスとの差別化だったり、実際に企業にとって利用する価値があるかなど、BtoBならではの視点の難しさも改めて実感しました。

—— 壁にぶつかった際に、どのようにして乗り越えたのでしょうか?

冨川さん:中間発表後は完全に自分の頭がこんがらがってしまい、これまでの自分の取り組み全てに問題があるとまで思って落ち込んでいましたが、メンターの北川さんの「本質的な課題は離職率なのか?」という問い掛けが突破するキッカケになりました。それまでは、元々設定していた「新卒社員の離職率」という課題に引っ張られ、思考が中途半端になっていた部分がありました。この問い掛けのおかげで、ゼロベースで課題を再設定することができました。

また、在籍している大学のOGである他チームのメンターの方が会いに来てくださったり、他チームのデザイナーともランチタイムで話す機会を作っていただき、頑張るモチベーションにつながりました。

服部さん:それまでに重ねた話し合いの積み重ねが自信につながったのだと思います。各メンバーの得意分野を活かして、後半は上手く役割分担ができるようになっていました。意見の相違があってもお互いを否定せず、ゴールに向かって進むことができました。

また、メンターの北川さんのサポートもかなり助けになりました。HR市場という学生からはあまり想像できない課題に対してどのようにアプローチするべきか、直接的な答えではなく、課題を見つけるための手段やキーの提示をしていただいたからこそ最後はサービスとして大まかな形に仕上げたうえでプレゼンまでできたと思っています。

—— インターンに参加したことで何か変化はありましたか?

服部さん:インターンに参加する前は全く想像できなかったのですが、参加後は課題解決の「0→1」を考えるのが面白いと思うようになりました。この経験がきっかけとなり、現在は大学院でマーケティングの講義も受講するようになって、企画・立案を通して課題解決の方法を学んでいます。

冨川さん:自分自身の強みや弱みを知ることができました。インターンの選考では、エンジニアの方と面接をしたのですが、自己分析等の準備が万全だとは正直言えなかった自分に対し、その方が自分を知ってくれようと様々な観点で深堀ってくれました。結果、自身の良いところも改善できるところも率直に伝えてくれ、それがインターンに参加する熱量になり、チーム内で強みを活かすことができたと思っています。

—— 来年以降にインターン参加を考える学生に向けて、メッセージをお願いします!

服部さん:就職活動の軸が決まっている人にとっても、決まっていない人にとっても価値のある体験になると思います。既に軸が決まっている人でも、プラスになるような新しい発見ができるのではないかと思います。軸が決まっていない人も、抽象的で難易度の高い課題に取り組む中で、自分が仕事をする上で面白いと思えたり大事にしたいポイントや、自分自身の強みや弱みが明確になるのではないかと思います。

冨川さん:私自身が就職活動の軸を見つけられずに悩んでいた時期があったため、就職活動の軸が見つかっていない人や、活動にネガティブになっている人こそ是非参加してほしいと思います。これまで経験したことがない成功体験ができるかもしれないし、全然上手くいかなかった体験で終わったとしても、次に繋がる気づきを得られるものになると思うので、全力で取り組んで欲しいなと思います。 デザイン業界のワードだけで闇雲にインターンを探していた自分にとって、この体験ができて本当によかったと感じています。

おわりに

今回インターンの運営に関わってみて、5日間を通した学生のみなさんの成長を見ることができたのがとても嬉しかったです。冨川さんと服部さんのインタビューでもあった通り、難しい課題をチームで悩みながらも楽しみ本気で取り組んだからこそ、たくさんのことを学んでくれたのだと思います。

特に印象的だったのが、2日目の中間発表を経て、それまでチームで沢山議論し考えてきたことを一度リセットしたチームが多かったことです。発表へのフィードバックを真摯に受け止め、そこから学び、最後まで諦めずにチームで走り切れたことが、きっとみなさんの大きな成長につながったのではないかと考えています。

Visionalグループでは新卒採用を積極的に行っています。ご興味がある方は、新卒採用サイトから採用情報をご確認ください。

集合写真
集合写真
佐藤 光
佐藤 光

2023年新卒エンジニア。美術館やライブによく行ってます。