2023年にプロダクト職として新卒入社したエンジニアの佐藤光です。

入社から現在まで、ビズリーチプロダクトの検索基盤グループで開発を行っています。検索基盤グループでは、社内向けの検索APIの提供やそれに使用するインフラの整備などを実施しています。

この記事では、2年間で関わったプロジェクトの一例やそれを通じた成長について、ご紹介します。

2年間で経験したプロジェクトの変遷

私自身学生時代は機械学習を専攻していたのでWebの開発経験は浅く、1年目は幅広い技術領域を経験することを意識しながら手を動かす機会を増やし、アウトプットを積み重ねるよう努めました。これまで触れたことのない技術にも積極的に取り組み、自らタスクに挑戦しにいく姿勢を大切にしていました。

2年目からは、小規模ながらプロジェクトのリードを任されるようになり、現在はより大きな規模のプロジェクトで中心的な役割を担いながら、日々の開発に取り組んでいます。

ここからは、携わった各プロジェクトへの取り組みについて、詳しくご紹介します。

これまでの業務の変遷
これまでの業務の変遷

アウトプット量にこだわった1年目

現場配属後は、検索インフラの整備としてレガシーシステムの刷新プロジェクトに携わりました。学生時代には検索技術に関する経験がなかったため、配属初期はチームの先輩エンジニアとのペアプログラミングを中心にタスクを進めていきました。ペアプログラミング形式でタスクを進めていくことで、検索技術に限らず、「ビズリーチ」のドメイン知識や苦手意識のあったテストコードの書き方についても教えていただきながら理解を深めることができました。

このプロジェクトを通じて、アプリケーション開発やCI/CDワークフローの構築、Terraformによる実行環境・監視の整備など、エンジニアリングの基本的なスキルを幅広く身につけることができました。また、実装設計やアーキテクチャの検討段階からも関ったことで、今後の開発に活かせる貴重な財産となりました。特に、プロジェクトの進行においては、タスクの実行可能な単位への分解やリリース予定時期の見積もりなど、開発以外の観点でも多くの学びを得ることができました。

また、プロジェクトの開発と並行して、検索技術のキャッチアップにも継続的に取り組んでいました。外部の勉強会に参加して、検索エンジンに関する仕組みや設定方法を体系的に学び、日々の業務理解の底上げに繋げていました。学んだ内容はチーム内でも共有しようと、勉強会の形でアウトプットを行いました。チームには検索技術に詳しいメンバーが多く、議論の中でさまざまな知見が補足されたことで、自分自身の理解もより深まりました。

勉強会を主催したときの議事録
勉強会を主催したときの議事録

刷新プロジェクトの開発が一段落したタイミングで、志願して検索APIの機能改善のプロジェクトに移りました。刷新プロジェクトでは経験することができない技術領域があったのでそちらにも挑戦したく、マネージャーに相談して移ることを決めました。

検索結果のランキング改善施策に関する開発だったので、ユーザー体験を意識するだけでなく、施策評価のためのログの設計から実装までを行いました。実際にお客様が触る画面を作ることはなくても、お客様のサービス体験向上のために考え抜く経験を積めたことは、エンジニアとしての視野を広げる大きなきっかけになりました。目の前の技術課題だけでなく、ビジネスやユーザーにとって本当に価値のある改善とは何かを意識する視点がこのプロジェクトで身についたと感じています。

初めてのプロジェクトリード経験

2年目の始めにはじめてAPIの新規機能の開発リードを任されました。プロジェクト全体の進捗管理に加え、実装方針の検討から施策評価に必要なログ設計まで一気通貫して担当しました。

とても印象的だったのは、年次に関係なく、このようなプロジェクトのリードに手を挙げて挑戦できる環境が整っていることです。今回のプロジェクトでも、立ち上げのタイミングでリードメンバーをチーム内から選出する必要があり、自ら手を挙げてその役割を担いました。

プロジェクトのゴールから逆算して、具体的なタスクに落とし込むステップにおいては、普段から動きを勉強させてもらっていたチームリーダーのプロジェクト管理の進め方を参考にさせてもらいました。 リーダーが日頃から実践していた、「具体的なユースケースを洗い出したうえでタスク分解を行うこと」や「不確実な部分を洗い出して早期に潰していくプロセス」を参考にして、プロジェクトの全体像を捉えながら、段階的に計画を具体化していきました。

ユースケースからタスクを洗い出す
ユースケースからタスクを洗い出す

一方で、複数のチームが関わるプロジェクトだったため、関係者との認識合わせや実装範囲の整理には苦労しました。特に初期フェーズでは、前提や仕様の食い違いが発生しやすく、早期に論点を整理して合意形成を進める必要がありました。自分がハブとなって積極的にコミュニケーションを取り、仕様のすり合わせやタスクの調整を行う中で、プロジェクトを前に進めるための調整力や当事者意識の重要性を実感しました。

より大きなプロジェクトへの挑戦

初めてプロジェクトリードをしたAPIのリリースが完了した後、新たに別のAPI開発プロジェクトが立ち上がり、その開発リードを担当しました。前回に比べて開発規模や仕様の複雑さが大きくなったことで、設計・実装や他の開発チームとの調整だけでなく、より広い視点での対応が求められました。

このプロジェクトを通じて、人に仕事を任せる難しさを実感しました。一部タスクを他メンバーに任せる中で、十分に背景や目的が共有できておらず、認識のズレから手戻りが発生してしまいました。自分も並列して別のタスクを行っていたため、状況の把握が遅くなり、最終アウトプットをレビューしたタイミングで初めてズレに気づき、早急に修正対応が必要になりました。この経験から、単にタスクを任せるだけではなく、「なぜそれをやるのか」「どういう成果を期待しているのか」といった背景やゴールの認識をすり合わせたうえで任せることの重要性を痛感しました。

こうしたプロジェクトをやり遂げる経験を積み重ねることが、その後のプロジェクトでより大きな役割を担うキッカケになったと思います。 目の前の課題に自ら主体的に取り組み、期待された成果を出すことができたからこそ、次の挑戦へとつながっていったのだと感じています。「仕事の報酬は仕事」と言われることがありますが、結果を出しながら仕事に向き合い続けることで、新たな機会や経験を自ら挑戦しに行くことができると、実感するようになりました。

現在取り組んでいること

現在では検索において最重要ともいえるデータ更新基盤の刷新プロジェクトを担当しています。今までのAPI開発と比較しても、リリースの影響範囲も大きく、既存システムとの整合性や安全なリリース計画の設計が求められます。複数チームとコミュニケーションを重ねながら、技術的な検証やリリース計画の策定を行う中で、複雑な要件に対しても一つひとつ着実に向き合えるようになってきたと感じています。特に、システム全体の構造への理解が深まり、複雑な仕様を満たす実装にも取り組めるようになったことで、これまで以上に技術的な成長を実感しています。

また、前回のプロジェクトで、タスクを他メンバーに任せる際にコンテキストの共有が不十分だったという反省をふまえ、今回はスプリントプランニングの段階で背景や設計方針を丁寧に確認・共有するよう心がけています。実装ファイルを全員で確認するプロセスを取り入れることで、認識のズレが起きにくくなっただけでなく、レビュー時の負荷も抑えられていると感じています。

まとめ

この2年間を振り返ると、エンジニアとしての技術力だけでなく、プロジェクトの進め方やチーム内外でのコミュニケーションなど、幅広い観点での成長を実感しています。

今後も検索というアプローチで事業数値に貢献するだけでなく、ビズリーチが5年後/10年後もプロダクトとして成長し続けるための基盤作りを「やり切る」ことを目指したいと思います。

また、同じチームには新卒の後輩も加わっており、自分が先輩にしていただいたように、日々のペアプロやコードレビューだけでなく、目標設定の相談などを通じて、後輩の成長をサポートする機会も増えてきました。これからもチームの中での役割を広げながら、プロダクトを前に進められる存在を目指していきたいです。

佐藤 光
佐藤 光

2023年新卒エンジニア。美術館やライブによく行ってます。