ソフトウェア業界全体のテスト技術力の向上と普及を目指して、NPO法人ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER)が主催するソフトウェアテストシンポジウム「JaSST’24 Tokyo」が2024年3月14日・15日に開催されました。
株式会社ビズリーチからは、SODA推進グループの高橋裕之が、株式会社カカクコム 荻野 恒太郎様と共に、近年の品質組織に求められていることを「ビズリーチ」や「食べログ」での品質部門改善の事例を交えてお話させていただきました。このブログでは、株式会社ビズリーチの発表内容のご紹介と、当日いただいた質問への回答をご紹介させていただきます。
また、このお話の続編となる事例について、4月16日より開催の「DevOpsDays Tokyo 2024」の登壇にてお話しする予定です。ご興味をお持ちいただいた方はぜひこちらのイベントにも足をお運びいただけますと幸いです。
セッション紹介
DX化が進んでいる近年のサービスでは、リリース前に不具合を検出することだけでなく、プロダクトの価値向上、開発の生産性の改善や社員のエンゲージメントの向上なども品質部門に求められるようになってきました。
今回のセッションでは、DX時代の品質組織に求められているこれらのモダンなプラクティスについて、「ビズリーチ」で考案したSODA構想(SODA : Software Outcome Delivery Architecture)と現在の取り組みを話しました。
当日はご参加者がコミュニケーションされるDiscord上でもリアルタイムで多くの反応をいただきました。ありがとうございました。
当社の発表資料については、こちらをご覧ください。
Discord上でのリアルタイムの反応
Discord上でいただいた反応について一部ご紹介します。
品質組織と開発組織の陥りやすい関係性や、事業会社におけるアウトプットとアウトカムについて、それを踏まえ当社が取り組んでいるSODA構想のご紹介の際には、特に多くのご反応をいただきました。
「品質」と「スピード」について
内容
こちらでは、開発組織が重視する「スピード」とQA組織が注目する「品質」がトレードオフするものと長らく見なされてきたが、最近の様々な調査により、これらが必ずしもそうではなく、持続的な改善を実現するためには、Four Keysによる定期的な分析が不可欠であるということをお伝えしました。
反応
「アウトプット」より「アウトカム」について
内容
こちらでは、事業会社はプロダクト・サービスを提供することで、お客様の課題を解決することがアウトカムの向上ととらえている。事業状況を可視化することで、アウトカムに影響を及ぼす指標が見えてくる、ということをお伝えしました。
反応
SODA構想について
内容
こちらでは、ビズリーチが推進している「SODA構想」のご紹介をし、まだまだ道半ばではありますが、ファクトデータを分析し、改善アプローチの仮説を立てるという状況が作られつつあるということをご紹介しました。
反応
質問に対する回答
最後に、会場やDiscord上でいくつかご質問をいただきましたので、一部をご紹介いたします。
指標コードを作り、それを元に測って改善サイクルを回すのをやられているが、障害に対する因果関係の分析はどのようなステップで行われるのでしょうか?因果関係を特定することは結構難しいと思うので、お伺いしたいです。
当社の場合は基本的にはFour Keys中心のデータが集まってきているので比較的把握しやすいです。Four Keysを3ヶ月以上計測した後に、開発チームにケイパビリティについてのインタビューを行っています。その際に、Four Keys上で問題がある点と、ケイパビリティのできていないと言われているところは、完全に相関関係があるということがわかります。そして、そこは次のプロセス改善のフェーズとしてしっかりやっていきましょうという話をチームとしていくことになります。
相関関係が不明な場合は他にもデータを集めていますので、そのメトリクスを見ていると、仮説が沢山出てきます。その仮説を元にした具体的な問題解決方法については、「DevOpsDays Tokyo 2024」でご紹介しますので、ぜひ聞きにきてください。こちらも、イベント後に登壇資料を公開させていただきます。
おわりに
株式会社ビズリーチでは、プロダクト開発の様々なデータを可視化し、ファクトに基づく改善活動を行っています。4月16日より開催の「DevOpsDays Tokyo 2024」では、以下の時間にて、SPIのイネーブリングに取り組むチームが行っている改善アプローチと、SODAフレームワークを用いた具体的な問題解決方法を紹介する予定です。ぜひご参加ください。
セッション:SPI原点回帰論:事業課題とFour Keysの結節点を見出す実践的ソフトウェアプロセス改善
日時:4月16日(火)17:00〜